実験風景

実験風景

実験風景

 紀元一世紀のローマ人プリニウスが“植物誌”に書いた人とガラスの出会いに関する次のような伝説がある.
「フェニキア人があるとき海岸で食事の支度をしていた.大鍋を支えるかまどの石の変わりに船荷のソーダ塊を用いたところ,熱せられたソーダ塊が浜辺の白い砂と融けあってみたことも無い半透明の液体が何本もの筋になって流れ出た.これがガラスの起源になった.」
 この言い伝えは本当かどうか不明であるが,ガラスがどのようにしたらできるかを端的に示している点で非常に興味深い.すなわち,日常我々の目に触れる建物や車両の窓ガラス,飲料や薬品のいれものとしてのびんガラス,食器,電球や蛍光灯の管,カメラや望遠鏡のレンズなどのガラス製品は,いずれも浜辺の砂と同質のけい砂(結晶質のSiO2)を主体とし,これに炭酸ソーダ,炭酸カルシウムなどを混合した結晶質の原料を加熱して一度均質な融液とし,これをすばやく冷却することによって得られる.
 そこで,実際に砂とソーダを使ってガラスをつくり,古代人の知恵を体験してみる.また,ワイングラス,各種ビンに代表される色のついたガラスはどのようにできているのだろうか.実際に自分の手でつくってみる.さらに,ガラス加工を体験する.




2-1 ガラスの製作と加工